久重琵巨の家

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久重琵巨の家

あれ? 私は蚊帳の吊られた畳の部屋の布団に寝かされていた!! いつの間にか夜になっていた!! 蚊取り線香の香りがして、 窓に網戸かない!? 隣の部屋から灯りが漏れている!? 誰か居るんだ!! 跳ね起きた私は、 蚊帳の下の方をちょっと揺すってから、 しゃがんで出た!! 蚊が蚊帳に入らないようにするんだった……。 あれ? 前にここでそう教わった? 囲炉裏に川魚を串に指して、 いい案配に焼けている。 鉄鍋には、 キノコ汁が、 美味しそうに湯気をたてている! 「ああ、起きたかい! ちょうど出来たから、 晩御飯にしよう!」 「えっと~。」 「ほら、従兄弟のヒコ兄さんですよ~! 紗季(さき)ちゃん! まだ寝ぼけているのかな?」 ヒコ兄さん……? 琵巨(ヒコ)……ああ!! ヒコって読むんだ!! 「うん……何だか、 寝ぼけているみたい……。」 「久しぶりに会ったよね!! あれから何年だっけ?」
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