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「あれ……お前こんなとこでなにしてんの。」 ……誰だろ? 眼鏡をかけた男の人がガレージに入ってきた。 聞いたことがあるような声だけど…… 「あ、俺の事分かってねぇだろ。雨女」 「あっ……琥珀……先輩」 「ちょっとだけ休憩させて」 えぇっ! ちょっと別人にしか見えない。 お店で見かけたときは眼鏡なんてかけていなかったし、今は髭も生えてるし…… 髪の毛もぐしゃぐしゃ。 「……なんだよ。別人みたいってか?」 「……」 「仕方ねぇだろ。2.3日帰ってねえんだし。 コンタクトも痛くなって付けてらんねぇっての。」 大きなあくびをひとつ。 「その隅でいいから、お前が帰るときでも声かけて。」 「……はい」 ガレージの奥、いつからあるのか分からない古ぼけたビニールシートにどかっと座り、壁に持たれてそのまま…… 寝ちゃってる
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