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金平糖と一緒に私の指先も溶けているのかな。 指先から全身に熱が伝わって…このままだと私自身も溶けちゃうんじゃないかしら。 私の胸の鼓動が大きくて、それも指先から先輩に伝わっているかもしれない。 「…っ…はぁっ」 漏らした吐息が、雨と混じって湿り気を帯びている。 ちゅっと音を鳴らして離れた先輩の唇は、私の指先から金平糖を奪って ゆっくりと私に近づいて…今度は私の唇に重なった。 甘い…砂糖の甘さ。 熱い…私の熱?それとも、これは…先輩の熱? 「んっ…あぁ…はっ…」 角度を変えながら、私の舌に絡まる先輩の舌。 小さくなった金平糖が先輩の口から私の口の中に転がって、舌と熱で溶かされていく。 甘い汁を啜るように…それをこぼさないように。 先輩と私が貪る。 手元の包みから、いくつもの紫陽花色の金平糖がぱらぱらとこぼれていることにも気付かずに…。
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