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私は…何をしていたの? 我に返ってその場から逃げかえったのは1時間前。 胸の鼓動と不規則な呼吸。 そして…唇と、口の中に残る甘さと熱と…先輩の感触。 それらがまだ私の中を燻っている。 握ったままだった金平糖の包みの中。 ガレージで見るあの花と同じ色の小さな粒。 この色を見るたびに疼く胸。 しばらくは見ていられなくて、引き出しの奥に隠してたけれど、数日もしたらその色が恋しくて 一粒ずつ口に含み舌で転がしながら粒をゆっくりと溶かした。 まるであの日先輩が私の口の中で動かしていた舌みたいに。 「いやらしい」 なんでいつもそればかり考えているんだろう。 逃げ帰ったせいで忘れて帰ってしまった水彩絵の具とスケッチブック。 翌日、こそこそそれを取りに行ったらきれいに無くなっていた。 きっと、あの人が持っている。 そう思うと胸が熱くなって苦しく感じた。
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