5/18
前へ
/64ページ
次へ
翌日の朝。 スマホに先輩の番号を登録して…ドキドキしながら電話をかけた。 数回コール音が聞こえた後 「……はい」 ちょっと掠れた低い声が小さく聞こえた。 「あ、あの…」 「あぁ、美雨?」 名前を呼ばれて、胸がきゅっと苦しくなる。 「…はい」 小さく返事しかできない。 ほんの少しの沈黙。 先輩も私も何も声を出さない… どうしたらいいのかな そう思って居いた時、パタパタと足音らしき音と、 「琥珀、誰と話してんの?」 甘い女性の…声…。 「失礼しましたっ!」 「えっ…」 慌てて通話を切った。 心臓がすごい音で激しく鼓動を刻む。 先輩、女の人と一緒にいたんだ。 彼女…いたんだ。 いないなんて誰も言っていない。 いる方が普通だよ。 なのに、なぜこんなに私は 酷くショックを受けているの?
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加