雨やどり

3/4
前へ
/64ページ
次へ
15分後。 もう一度先輩を起こすと「風呂借りる」と言って歩いていった。 その間に乾かした服と先輩の下着や靴下を用意しておく。 私一人だけの家にいつからか少しだけ置いてある先輩の物。 先輩はタオルで頭をがしがし拭きながら出てきて、まだ背中にシャワーの滴が残っているのに服を着た。 「じゃあな。風邪…引くなよ」 「はい」 先輩が出ていく時の決まり文句。 ぱたんと玄関の戸が閉まって…… またいつもの日常が戻ってきた。 まだ私の中には先輩の痕跡が生々しく残っているのに。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加