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「閉じ込めて、もう離れられなくなったけど…後悔してないか?」 私の左薬指のリングに口づけながら囁く琥珀。 じっと私を捉える視線に私は微笑んだ。 「後悔なんて、すると思った?」 「まぁ、後悔させないけどな、これからも」 まだ、誰も来ていないギャラリーは二人だけの空間。 オープンの日なのに、あいにくの雨。 「やっぱ美雨は雨女だな。」 「ふふっ。」 私はこれからもこの人に包まれながら雨の音を聞くだろう。 琥珀の腕の中で、ずっと。
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