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そしてドアが開いた気配を察知してソファーから立ち上がっていた男三人に、真澄は怒鳴った。
「ちょっと清香ちゃんと出かけるけど、後を追いかけてくるんじゃないわよ!?」
「は? 一体どこに」
「ちょっと待って下さい!」
「姉さん?」
流石に狼狽と困惑の顔を向けて来た面々を、真澄が一喝した。
「清人君、浩一! 私が良いと言うまで、絶対に聡君の手を離すんじゃないわよ? そいつをこの家から一歩でも出したら、承知しませんからね!!」
「え? 真澄さん、何なんですかそれはっ! ……ちょっと! 何するんですか、兄さん! 浩一さんまで!」
真澄が指示した途端、二人に拘束されたらしい聡の叫びを背中に受けながら、真澄は玄関へと急ぎ、既に身支度を終えていた清香に小さく頷いた。
「下に、家の車を待たせてあるの。先方の住所は分かっている?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ急ぎましょう」
そう言葉を交わしてから、真澄は掛けていたコート引っ掴み、清香と共に玄関から飛び出して行った。
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