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「お待たせしましたー」 「おっせーんだよ!このクソ女がああ!」 サトウさんと仕事を先にこなしてきたカエルが帰ってきた。 カエルにいたっては、相当お腹を空かせていたらしく、わたしがご褒美のカレーを持ってくると、文句もそこそこにがっつきはじめた。 空腹時はべらぼうに口調が汚いらしい。 「くそ、うっめぇぇ!」 「あいかわらず食べかたが汚いね」 グチャグチャときたない音を響かせながら、一心不乱にカレーを食す彼には、わたしの呆れ返った呟きは聞こえていないようだ。 続いてサトウさんの分を持ってくると、彼は微笑みながら「ありがとうございます」と丁寧にお礼を言って受け取った。 『サトウさん。依頼のほうはどうでした?」 「トノサマが余計なことをしたせいで、すこしだけ手間取りましたが、カエルさんのおかげで解決しました」 「へえ」
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