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世界に普遍的なものなど、何ひとつ無い。
そんな当たり前なことを頭では分かっていながらも、
どうしても受け入れようとしないのは心という不可思議なものだ。
それは、自分という個が異質な存在だからなのか。
人間ではなく、悪魔でも天使でもない。
ましてや神や魔王なんて尊い存在でもない。
赤に染まる自分だけの世界では、だれも自分を見てはくれなかった。
ただ、目の前にある異質な物体に畏怖の念を抱き、もがきながら逃げ続けていた。
逃げられる、拒絶される、いじめられる、排他される。
それはひどく心を傷つける行為だった。
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