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サイトウさんはわたしの手をとった。
はじめて開かずの間にやって来たわたしが本棚にある大量の魔導書に驚いていると、サイトウさんは慣れた手つきで床に陣を描きはじめる。
「いまから別のやつを喚ぶ。あいつなら危害は加えないと思うから、今後はやつに練習相手になってもらえ」
「わかりました」
魔法陣の一通りの説明を終えると、サイトウさんは早速彼を呼び出した。
カポーンという間の抜けた音が鳴った。
「あっ」
「…………」
「えっ」
トノサマから聞いていたように、サイトウさんは召喚の間が悪いらしく、彼の入浴タイムと被ってしまったようだ。
彼はサイトウさんとわたしを交互に見ると、慌てて体を隠していたが、いまはカエルの姿なのでなんとも不思議な光景になっていた。
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