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シャツの袖が濡れたというある種理不尽な理由で浴槽に叩きつけられたカエルは完全に気を失っている。 不憫なカエルをバスタオルでぐるぐる巻きにして事務所に連れて来ると、目が覚めた途端に「わたくしはもうお婿に行けません!」と言って泣きはじめた。 なるほど、うるさい。 「お婿って……。裸見られたくらいで大袈裟やな。しかも裸じゃなくて、ワンクッションあるからな……。もしかしてチェリーやったの?いいやん、裸のひとつやふたつくらい」 「黙りなさい」 カエルはトノサマの頭をきれいにふっ飛ばすと、ふたたび泣き出した。
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