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だから、医者とのコミュニケーション能力の高かった、里美は会社からもとても重宝されていた。
それが解るだけにとても居心地の良い職場となっていた。
だが、一つ問題があった。
それは里美の直属の上司である課長の横田の存在だった。
横田は医療の知識はないが、長年の経験の豊富さで販売を成功させていた。
しかし、里美から見るとやはり、矛盾した見解があった。
医療機器は精密さと、性能の良さ、そして、いかに患者に負担をかけないように設計されているかと言う事を上手く説明することが必要である。
横田の視点は普通の人の営業の視点だが、里美の視点は医療現場の経験から来る視点で、いかに患者に負担なく性能がどれほど良いのかを医療者に説明できるのだ。
だが、そこで横田はそれだけではだめだと言う。
横田は自分の経験からいつもものを言う。
里美はそれに反して、看護師の経験からものを言う。
だから、何時もぶつかる二人だった。
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