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「けどさぁ。その女、類の事好きなのかよ?完全にお前の一方通行なんだろ?」
「それなら心配ないよ。今はまだ片想いだけど。……その内、彼女は俺を好きになるから」
「なっ……」
『ならないって言ってるでしょ』って、思わず口にしそうになってしまった。
「何?姉ちゃん」
「……何でもない。ごめん、私疲れてるから先に寝るね」
類の顔を見ずに、勢いよくリビングを出て自分の部屋へ向かう。
そして部屋のドアを開けようとしたとき、背後から声が聞こえてきた。
「莉菜。バッグ、忘れてるけど」
慌ててリビングを出たから、ソファーにバッグを置き忘れていた。
それを類がわざわざ私の部屋まで持ってくる。
「……ありがと」
「動揺してんの?」
動揺するに決まってるじゃない……。
「さっきの、本気なの……?」
「俺はいつでも本気だよ。莉菜に対しては」
類の目を見ればわかる。
からかってるわけじゃない事くらい。
だけど、信じられない。
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