ボーダーライン

3/27
前へ
/27ページ
次へ
「でも、美月が来てくれて良かった。いろいろ話したかったんだ」 「瑛祐くんと別れたなんて、ビックリしたよ本当に。瑛祐くんもバカな事したよね、椿と別れるなんてさぁ」 「……ありがとう美月」 目の前で怒っている美月を見ていると、何か少し笑えてきた。 こうやって少しずつ、立ち直っていくしかないのかな。 「瑛祐くん以上の男探すしかないねこうなったら!」 「いいの、今は。別に誰とも出会いたくないし」 「そんな事言ってると、一生結婚できないよ椿」 「……それ、豪にも同じ事言われた」 「正しいね、豪ちゃん」 「そもそも社会人になったら、出会いなんてないよ。合コンとかも苦手だし」 昔はよく美月に連れて行かれて合コンとかは行ったけど、私には苦痛の時間でしかなかった。 美月みたいに、誰とでも仲良くなれる性格ではない。 「椿は無理だよね。合コンとかで知り合うのは」 親友は、やっぱりわかっている。 「じゃあさ、友達の紹介とかは?賢ちゃんに紹介してもらえば誰か」 「賢に頼むのは嫌だな」 賢は私と美月と高校のときの同級生だ。 ちなみに私は中学の頃から賢とは同じ学校で、今でも何故か仲が良い。 男だけど、美月と同じくらい大切な私の親友だ。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

321人が本棚に入れています
本棚に追加