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「なかなか来れなくてすみません!ちょっと仕事でバタバタしてて、莉菜さんにネイル早く可愛くしてほしくてウズウズしてました」
有名人だというのに、渚ちゃんは全然飾らない純粋な性格だ。
小さくて、守ってあげたくなるような子。
私もこんな風になりたかったな、なんて思ってしまう。
「今日はどんな感じにする?」
「莉菜さんにお任せします!」
お任せ。
腕の見せどころだ。
久し振りに会ったという事もあり、渚ちゃんは沢山話をしてくれた。
幸せそうに話すのは、昨年結婚した旦那さんとの話。
「莉菜さんが結婚式に来てくれて、本当に嬉しかったです」
昨年渚ちゃんは、ヘアメイクアーティストとして活躍する彼との結婚式に私の事も招待してくれた。
いつ会っても仲が良くて、本当に素敵な夫婦だと思う。
「恭ちゃんも、いっつも莉菜さんのネイル誉めてくれるんです」
「本当に?良かった」
ちなみに、恭ちゃんは渚ちゃんの旦那さんの事。
本名は、青山恭平さん。
「莉菜さん、最近いい事ありました?」
「え?」
「何か、顔に出てる気がします。なんて、私鈍いからよく当たらないって言われるんですけど」
「……うん。外れてるよ渚ちゃん」
最近の私にいい事なんてない。
むしろ予想外の事ばかり起きて、困っている始末だ。
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