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「別に脅してるつもりはないけど？」
さっきのキスを反省したばかりなのに、ここでまさか自分からキスするわけにはいかない。
「……言いたいなら、言えば？知られたら困るのは類の方だと思うけど」
「わかった。じゃあ、次聞かれたら豪にハッキリ言うから」
別に言われたって、私が類を好きなわけじゃないし、私がいちいち動揺する事じゃないはずだ。
「莉菜とキスしたって言お。しかも、気持ちよさそうな顔してたって」
「な……！」
「顔赤くして、今にもとろけそうな顔してたって……」
「ストップ！！」
ダメだ。
口で類に勝てる気がしない。
「類、卑怯だよ！」
「卑怯？どこが？だって、全部本当の事じゃん」
「……っ」
豪にそんな事を全部言われたら、恥ずかしすぎて一生豪に合わす顔がない。
「だから、言われたくないなら。キスして」
「……出来ないよ……」
気持ちがないのにキスなんて、自分から出来る程私は大人じゃない。
とっくに大人だけど、そういう部分では類の方が完全に私より大人だと思う。
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