思考を狂わせるキス

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「私、運転しようか?」 「大丈夫だよ。これぐらいの距離運転したって疲れないから」 「でも……」 「じゃあ、運転中眠くならないように莉菜が何か話してよ。何でもいいから」 「え……」 何でもいいから話してって言われると、逆に何を話したらいいのかわからなくなる。 たけどきっと類なら、私がどんなにくだらない話をしても、嫌な顔をしないで聞いてくれるような気がしたから。 帰り道は、本当にどうでもいいような話ばかり繰り広げていた。 そして類は、やっぱり私の予想通り、どうでもいいような話にもいちいち反応を返してくれた。 心の中が、暖かくなっていくのを感じる。 「莉菜、今日楽しかった?」 「うん。……凄い楽しかった」 仕事の事を一切考えずに、こんなに遊びに夢中になれたのは本当に久し振りだった。 「俺も。すげー楽しかった」 運転をしながら、類が嬉しそうに笑みを浮かべる。 そんな嬉しそうな顔をされたら、どうしたって私もやっぱり嬉しくなってしまう。
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