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「その人と一緒にいて、ドキドキしたりするんですか？」
ドキドキ……する。
抑えられないくらい。
「……うん」
「じゃあきっと、そのドキドキがもう好きな証拠ですよ」
だけど、流されているだけなのかなとも思う。
失恋して、心が傷ついているときに類に言い寄られて、瑛祐がいなくなって心の中にぽっかりと空いた穴が、類によって毎日少しずつ埋め尽くされていくような気がしていた。
もしも、瑛祐と付き合っていたときに、類に強引に迫られていたとしたら。
私の心の中は、こんなに類で埋め尽くされてはいなかったかもしれない。
『恋愛対象外』の類に、こんなにもドキドキする事なんてなかったのかもしれない。
どうしよう。
自分の心が、全然わからない。
「莉菜さんごめんなさい。逆に悩ませちゃいましたか？」
「何かもう……どうしたらいいのかわからないの」
頭では、わかっている。
私が類を好きになり始めている事を、認めちゃいけないって。
もし私が認めてしまったら、彼と私の恋が始まってしまう。
きっと家族の誰にも言えない恋が。
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