前の彼女の存在

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「莉菜。ごめん、もしかしたらいろいろ迷惑かけるかもしれない」 「……迷惑って?」 類のふざけていない真剣な表情を見て、ピリッとした空気が流れる。 「未来の事なんだけど。悪いヤツじゃないんだけど、ちょっと何するかわかんないとこあるから」 「何か、ずいぶん類に執着してたみたいだったけど……」 「一応2年くらい付き合ってたんだけど、その間にも何度か別れてるんだよ未来とは」 「そうだったの?」 類の話によると。 未来ちゃんとは、会社の同僚達との飲み会で知り合ったらしい。 向こうから付き合ってほしいと言われて、付き合い始めた。 「付き合い始めた頃はそうでもなかったんだけど、だんだん束縛がヒドくなって。それで何度か別れたんだけど」 別れて、ヨリを戻す。 2年間、その繰り返しだったんだ。 「だから多分今回も、未来はヨリを戻せると思ってんだと思うけど。でも今回は俺も徹底的に態度と行動で示してるんだけどね」 「……そっか」 「未来は俺のこと異常に好き過ぎるんだよ。まぁ、俺の莉菜への気持ちには全然負けるけどね」 「……そういう事、さらっと言うのやめてってば」 また私だけ、類の思惑通りに顔が赤くなる。
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