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そう、確か昔、このあと私は『カッコいいって言われたいの?』とか聞いて……
「好きな女に可愛いとか言われんの、男としては屈辱なんだけど」
ウソ。
確かあのときはまだ類は子供で……。
まさか、あり得ないって思ってたけど。
まさか類は本当にあの頃から私を……?
「莉菜?何ぼーっとしてんの」
「え、あ……何でもない」
「ほら、帰る準備するよ。何か手伝う事ある?」
「あ、じゃあこれの片付けお願いします……」
「了解」
カチャカチャと、嫌な顔ひとつせず片付けを手伝ってくれる類。
その後ろ姿を、無意識に見つめてしまう自分がいる。
「あ、それと一応豪にも言ったけど。今度未来が家に来ても、絶対家に入れたりするなよ」
「うん、わかった」
私もできればあの子にはもう会いたくない。
きっと家に来ることはもうないと思うけど。
「ねぇ類」
「何?」
「本当にちゃんと、話しなくていいの?未来ちゃんと」
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