前の彼女の存在

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「話なら、別れた後1回したよ」 「え……」 「俺の家の前で待ってたときあったから。近くの公園に移動して、ちゃんと話したつもりだけど」 「どんな話したの?」 「俺はヨリを戻す気はないって伝えたよ。未来には悪いけど、もう未来に対して何の感情もない事も言ったし」 「未来ちゃんはなんて?」 「とにかく泣き続けて、嫌だ別れないしか言わなかったかな。ちゃんと話をしたくても、話にならないんだよ。まぁ、俺が悪いんだから仕方ないけど」 ……人の気持ちの変化って、難しい。 心変わりなんてしないでほしいと、どれだけ願ったとしても。 他人に、その人の心を完全に支配する事なんて出来ない。 「でも類だって、一度は未来ちゃんとの結婚を考えたんだよね……?」 「あれは俺も今思えばバカだったなって思うよ。何かあの頃は、もうどうでも良かったんだよね。莉菜が結婚するかもって豪に聞いて」 「え……」 「莉菜が幸せになるならそれでいいと思ってた。俺にとっては莉菜以外の女なんてみんな同じだし。それならもう、自分も結婚して早く莉菜を忘れようと思ってさ」
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