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「けど、いつまでも泣いてたって多分類は戻って来ないよ」
私はこの話を聞かない方がいい気がする。
部屋に直行しよう。
だけど、次の彼女の言葉で私の動きは止まった。
「豪くん、協力してくれないかな。私、類が私のところに戻ってきてくれるなら何だってするよ」
「協力してって言われても」
「お願い。もう1度、類と会ってちゃんと話がしたいの。……他に好きな女が出来たなんて、納得できない」
彼女の言葉が、痛いくらいに私の胸に突き刺さる。
「その女が、類の事を騙してるに決まってるのよ」
「騙してるっていうよりも……類の方がその女に夢中な感じだと思ったけど」
「そうなの?類、その女の事何か言ってたの?」
豪って、絶対相談相手には向いてない気がする。
「いや、俺も相手がどんな女かなんて知らないけどさ。でも未来ちゃん、類の事はもう諦めた方がいいんじゃない?なぁ、姉ちゃん」
「え……」
突然豪が私に話をふり、彼女の視線が豪から私へ移る。
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