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「わ、私の口からは何とも言えないけど……」
「類、電話も出てくれないしメールも返事くれないんです。でも私、絶対に別れたくないんです」
彼女の強い意志に、自分は凄く浅はかだと思った。
類と観覧車の中でキスをしたとき。
帰り際、車の中で1秒きりのキスをしたとき。
自分の気持ちが、自分でもわからなくなってしまった。
類の事を絶対に別れたくないくらい、凄く好きな彼女。
類に気持ちが傾いている事を、どうしても認めたくない私。
どちらが彼に相応しいかだなんて、一目瞭然なのに。
……私は彼女の事を、心から応援なんてできないと思ってしまった。
「まぁ、とりあえず俺からも類に電話には出るように言っておくけど」
「ありがとう豪くん。本当にお願いします。私……その女の事、絶対に許さない」
彼女の強い怒りが、苦しいくらいに伝わってくる。
その女が私だと知られたら、どうなるのだろう。
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