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「俺が昔から類と仲良いんだから、姉ちゃんも仲良いに決まってんじゃん。未来ちゃん、もしかして姉ちゃんにまで嫉妬してんの?」
「だって豪くんにこんな綺麗なお姉さんがいるなんて知らなかったから……類からも、一度もお姉さんの話聞いたことなかったし」
「嫉妬する相手間違えてるって。姉ちゃんと類の間に何かあるわけないじゃん」
豪は、少しも私と類の関係を疑う事なく笑い飛ばす。
もう、この状況に耐えられそうにない。
「じゃあ、私そろそろ寝るから。ゆっくりしていってね」
「あ、急にお邪魔しちゃって本当にすみません!おやすみなさい」
「おやすみなさい」
そのまま、彼女の方を一度も見ることなく部屋へ入った。
部屋に入った瞬間、立っていられなくて思わず床にうずくまる。
……足が、少し震えている。
ざわついた心を落ち着かせるために、深呼吸を繰り返した。
そのとき、バッグの中の携帯電話が真っ暗な部屋の中で鳴り響いた。
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