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でも、本当に。
類が今日会いに来てくれて、良かった。
類の顔を見て、改めて思った。
例え、誰に恨まれても。
例え、親友を失ったとしても。
例え、この想いを他人に否定されたとしても。
目の前にいる、この人の事だけは、失いたくない。
この優しい笑顔を。
私だけを真っ直ぐに見つめてくれる彼を。
私が、幸せにしたい。
誰かを幸せにしたいだなんて、今まで思った事はなかった。
思えば大人になってからは、自分を幸せにしてくれる人ばかり求めていた。
類にこんな気持ちにさせられるなんて、思ってもみなかったな。
「眠るまでちゃんと傍にいるから……おやすみ莉菜」
「……おやすみなさい」
彼の暖かい手の温もりを感じながら、私はゆっくりと眠りに落ちた。
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