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『今家に着いたよ』
『お疲れ。俺はまだ帰れなさそう』
類に言われたとおりに、仕事が終わって帰宅したらメールをする毎日。
類は仕事で忙しいはずなのに、律儀に返信をしてくれる。
そんな日々が何日か続いたけれど、特に未来ちゃんが私に接触してくる事はなかった。
豪が断っているのか、あれから家には来ない。
だから、私に何かしてくるかもなんて、考えすぎだと思っていた。
……そう、思っていた。
「莉菜さん、すみません!今日早くあがってもいいですか」
「うん、大丈夫だよ。閉店まであと1時間くらいだし」
「良かった~私、今日のデートに勝負賭けてるんです!」
今日のデートに賭けていると意気込んでいるのは、週末だけうちの店で働いてくれている亜美ちゃん。
私より5つ年下なんだけど、お互い気を遣わない関係で、一緒に働いていて凄く楽な子だ。
「素敵な1日になるといいね」
「今日こそキスぐらい出来るように頑張ります!」
付き合ってまだ1週間くらいらしい。
なんか、初々しくていいな。
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