16年間の優しい嘘

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だけど話してみると意外と話しやすくていいヤツで、中学を卒業する頃には、女友達よりもいつの間にか親しくなっていた。 私にとっては、初めて出来た親友だった。 「ねぇ、賢は高校どこにするの?」 「椿は?」 「迷ってるんだよね第一志望。共学か、女子校か」 「女子校?お前、女子校っていうキャラじゃないだろ」 「だって家から近いんだもん」 「お前な、そんな理由で高校決めるのやめろよ。そんな下らない理由で決めたら、後悔するぞ」 賢に相談していなかったら、私の性格上ほぼ100%の確率で家の近所の女子校を受験していたと思う。 だけど賢の熱い説得もあって、私は家から少し離れた共学の高校を受験して合格した。 そして、賢も私と同じ高校を受験して、合格した。
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