16年間の優しい嘘

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そして中学3年間奇跡的に同じクラスだった賢と、入学式でまさかの同じクラスだとわかった。 「賢!私達また同じクラス!」 「マジで?うわー高校入ったらさすがに違うクラスになると思ってたんだけどな」 「何その顔。嫌なの?ていうか、賢、私の真似したでしょ」 「は?真似?」 「私がこの高校受けたから、真似したんでしょ」 「アホか。何で俺がお前を追って同じ高校受験すんだよ。つーか、お前が真似したんだろ」 「はぁ?あんた、あれほど女子校はやめとけって説得してきたくせに……」 なんて、高校生になってからも、こんなバカみたいな会話ばかり繰り返していた。 そこに、高校に入学して同じクラスになった美月も加わった。 「あんた達って、いっつも下らない事で言い合ってるけど、よく飽きないよね」 「飽きないよ。だって何だかんだ言っても賢と私は親友だもん。ね、賢」 「そうだな。お前みたいなヤツと親友になれるなんて、俺くらいだよきっと」 「ちょっと待ってよ賢ちゃん!私だって椿の親友のつもりなんだけど」 高校の3年間は毎年クラス替えがあったのに、見事に賢とは3年間一緒のクラスだった。 「……なんか、さすがに怖いんだけど」 「……俺も」 高校の3年間は、賢と美月とよく3人で放課後遊んだりバイトしたり。 毎日が、楽しくて仕方なかった。 私の学生の頃の思い出には、どの思い出にも必ず、賢がいた。
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