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高校を卒業してからは、私はネイルサロンでバイトをしながらネイルの学校に通った。
賢と美月は大学に進学した。
別々の道に進んだけれど、それでも連絡が途絶える事はなかった。
バイトでミスをして、先輩に叱られて落ち込んでいたときに、私に救いの言葉をくれたのは、いつも賢だった。
「……私、才能ないのかな」
「才能なんて、誰だってないんだよ。努力の問題だろ。あと、どれだけ本気かって事」
「いいなぁ賢は……毎日大学楽しそうで」
「じゃあお前も、学校辞めて大学行けば?」
「……行かないし、辞めないもん」
「ちょっと賢ちゃん余計な事言わないでよ!椿には立派なネイリストになってもらって、私の爪綺麗にしてもらうんだから」
私が弱音を吐いたときは、優しく、厳しく言いたい事をズバズバ言ってくれた。
だけどそのおかげで、今の私があると思う。
本当に、そう思ってる。
私がネイリストの試験を受けに行くときは、賢は男なのに爪が綺麗だからモデルになってくれた。
女性だらけの会場で、かなり目立っていたけど。
「すげー恥ずかしいんだけど。マジこれで合格しなかったら俺、怒るよ」
なんて言いながらも、毎回協力してくれた、最高の親友。
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