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そして、その日の夜。
仕事を終えて帰宅して、家で久し振りに自炊をした。
風邪をこじらせないように、温かい雑炊を作った。
「わ、姉ちゃんが料理してる。珍しい」
「失礼ね。私だって雑炊ぐらい作れるし」
普段仕事の後は帰りが遅くて、自炊をする余裕がない。
だいたいコンビニでお弁当を買って帰るような生活が続いていた。
だけど今日はまだ少し体調が悪いからか、体がコンビニ弁当を受け付けなかった。
……だから、仕方なくの自炊。
「一口ちょうだい」
そう言いながら豪は引き出しからスプーンを出して、いいなんて一言も言っていないのに、勝手に一口分をスプーンに掬って食べた。
「……何か、しょっぱくない?」
「勝手に食べて文句言うのやめてくれる?」
「俺とか類の方がまだ料理うまいわ、きっと。こんなしょっぱいの食べたら、余計体調壊すな」
ホントに、嫌な弟だ。
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