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「そういえば、類のヤツ今日未来ちゃんに会ってるらしいよ」
その瞬間、心臓がドキッと飛び跳ねるのを感じた。
「……そうなんだ」
「未来ちゃんも、早く諦めればいいのにな。類よりいい男なんて沢山いるじゃん?」
「……そうだね」
鈍感な豪なら私のドキドキには絶対気付かないだろう。
だけど絶対悟られないように、敢えて冷静な態度で話を聞くようにした。
「何か類、この間、今夢中になってる女とデートしたんだって初めて。それがめちゃくちゃ楽しかったらしくてさ。俺にノロケてくるんだよ」
横浜の遊園地に行った日の事だ。
類、豪にあの日の事話してたんだ。
「何か可愛くて仕方ないらしいよ。でも、相手年上らしいけど。アイツって、年上の女に可愛がられるタイプだよな」
「……そうかもね」
「何だよ。姉ちゃんそんなに類の話聞きたくないの?」
「べ、別にそういうわけじゃないけど……」
「何か、おかしくない?態度」
今日に限って、豪は何故か勘が鋭かった。
違う、私がわかりやすいんだ。
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