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「おかしくないってば。ごちそうさまでした!」
無理やり話を切り上げて、空いた食器をキッチンまで持って行く。
「あ、いいよ姉ちゃん。それ、俺が洗っておくから」
「……何、どうしたの急に」
普段食べ終わった後の食器なんて、テーブルに置いたままのくせに。
「何って……姉ちゃん風邪引いてんだから、早く布団入って寝た方がいいだろ」
「……ありがとう」
豪はたまにこういう優しさを見せるときがある。
だから私は昔から、弟にはついつい甘くなってしまうんだ。
美月と賢にも、学生の頃からよく言われていた。
私は豪に甘いって。
賢には、『お前はブラコンだ』とか失礼な事を言われた事もあった。
「それより姉ちゃんもさ、早く失恋なんか忘れて、新しい恋した方がいいよ」
「もう……またその話?」
「心配してるんだよ一応。姉ちゃんには、やっぱり幸せになってほしいからさ」
「……豪に言われなくたって、幸せになるし」
なんて、強がってみたけど。
強がらないと、弟の思いがけない言葉に思わず泣いてしまいそうだった。
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