16年間の優しい嘘

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食器の片付けを豪に任せて、寝る準備をして寝室に入る。 「はぁ……」    肌のスキンケアも全部終わって、眠る前ふかふかのベッドに倒れ込むこの瞬間。   ……凄く、好き。 寝そべりながら携帯を確認するけど、類からの連絡はない。 未来ちゃんと、まだ話し合ってるのかな。 あの子、ちゃんと類の話聞いてくれるのかな。 家に来て、豪に相談するくらい類の事をまだ好きなのに。 私の所に来て、邪魔をしないでって言ってくるぐらい、類の事が好きなのに。 類、大丈夫かな……。 どうなっているのか凄く気になるけど、今話し合っている最中だったらと思うと電話なんて出来ない。 類から連絡がくるまで眠れなさそうだから、最近忙しくて読めていなかったネイルの本を読んでいたけど、結局疲れのせいかいつの間にか眠ってしまった。 真横に置いていた携帯がピリリ……とメールの着信を知らせる音で目が覚めた。
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