16年間の優しい嘘

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「わ、笑うなんてひどい」 「別にバカにして笑ったんじゃないよ。嬉しくて笑ったの」 「……そうなの?」 「そう。莉菜の反応がすごい嬉しくて」 「……」 次は類の言葉にドキッとしてしまった。 さっきとは違う意味で、恥ずかしさが全身を包む。 「こんな時間までかかっちゃったけど、ちゃんと話せたよ」 「……うん」 「俺さ、未来の気持ち、全然わかってやれてなかった」 「……うん」 「アイツがどんな思いをして莉菜の所まで行ったのか。どれだけ俺を好きでいてくれていたのか」 きっと周りの誰が見ても、彼女の類への想いが凄く強かった事は伝わるはずだ。 それくらい、彼女には類が必要だったんだと思う。 「今回、ちゃんと未来の気持ちも全部聞いて。今思ってる事とか、俺に言いたい事とか。それから俺も、未来に言いたい事とか、俺の莉菜への想いとか。……お互い納得出来るように、話し合ったつもり」 「……そっか。未来ちゃん、大丈夫そうだった?」 「泣いてたけどね。未来には悪い事したと思ってるよ。けど、俺の気持ちだって、そう簡単には変えられないから」
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