16年間の優しい嘘

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そして、約束通り2日後。 仕事の後、賢との待ち合わせの場所へ急ぐ。     本当はいつもの居酒屋だったけれど、類に場所は変えるようにあの電話の後も何度か念を押された。 結局、私の家の近くの公園で話をする事になった。 バイトの亜美ちゃんに電話して、どこか落ち着いて話せる場所がないかそれとなく聞いてみた。 「落ち着いて話せる所ですか?うーん……居酒屋の個室とか?」 「出来れば、お酒が出ないようなお店で」 「じゃあ、カフェとかどうですか?ちょうどサロンの近くに、いいカフェありますよ!夜は混んでるかもしれないですけど」 混んでいるカフェで、話すような内容じゃないかな。 「出来れば、周りの人には話を聞かれないような所で」 「えー難しいですねそれ。もう、公園とかしかないんじゃないですか?それか、家とか」 自分の家に賢を呼んだら、それこそ類に無神経とか無頓着って言われかねない。 だからといって、私も賢の家に1人でノコノコ行けるはずもない。 昔なら、賢の家で2人きりになる事なんて、もう数え切れないぐらいあったのにな。
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