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駅を降りて、家までの道の途中にある公園まで小走りで向かうと、公園がやっと視界に見えてきた。
そして公園のベンチには、こっちを見て座っている賢がいた。
「また走ってきたの?ほんとお前、俺と待ち合わせのときっていっつも息切らせて現れるよな」
「だって……ごめん待たせて……」
「待たせてるのなんて、いつもの事じゃん」
そう言って賢は、微糖の缶コーヒーを飲みながら少し笑った。
「とりあえず、隣、座れば?」
「……うん」
「はい、お前はジュース」
賢の隣に座り、缶ジュースを手渡される。
見るとそのジュースは、私が高校生の頃にハマっていたジュースだった。
「うわ、懐かしい!」
「だろ?ここの自販機に売ってんの見て、ちょっとウケた。お前昔よくそれ飲んでたよな。たいして旨くもないのに」
「美味しかったし。ていうか、賢が味オンチなだけじゃん」
みかんの粒々がたっぷり入った、どこにでもあるようなオレンジジュース。
高校生の頃、売店でいつもこればかり買って飲んでいた。
よく、賢と美月にバカにされていたのを思い出す。
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