16年間の優しい嘘

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「お前、類を好きになって後悔しないのか」 後悔するのかしないのかなんて、実際後になってみないとわからないのかもしれない。 ……でも、きっと大丈夫。 この先どんなに辛い事が待ち受けていても、類がいれば。 類さえ、傍にいてくれれば。 自然とこんな風に思えている自分に、今更ながら気付いた。 「うん。……後悔しないよ」 「そっか。じゃあ、俺が付け入る隙はもうないって事か」 「……うん」 「もうこれからは、お前の相談に乗ってやれないからな。類と何かあったら、美月か豪に相談しろよ」 「……わかってる」 『わかってる』なんて言いながら。 実際、凄く寂しい気持ちでいっぱいになってしまった。 それだけ長い間、私は賢に甘えて生きてきたんだ。 何かあったら、すぐに何でも相談していた。 いつか、彼が相談に乗ってくれなくなる日が来るだなんて思わずに。 だけど、私達は一生親友ではいられなかった。
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