282人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「お前、類を好きになって後悔しないのか」
後悔するのかしないのかなんて、実際後になってみないとわからないのかもしれない。
……でも、きっと大丈夫。
この先どんなに辛い事が待ち受けていても、類がいれば。
類さえ、傍にいてくれれば。
自然とこんな風に思えている自分に、今更ながら気付いた。
「うん。……後悔しないよ」
「そっか。じゃあ、俺が付け入る隙はもうないって事か」
「……うん」
「もうこれからは、お前の相談に乗ってやれないからな。類と何かあったら、美月か豪に相談しろよ」
「……わかってる」
『わかってる』なんて言いながら。
実際、凄く寂しい気持ちでいっぱいになってしまった。
それだけ長い間、私は賢に甘えて生きてきたんだ。
何かあったら、すぐに何でも相談していた。
いつか、彼が相談に乗ってくれなくなる日が来るだなんて思わずに。
だけど、私達は一生親友ではいられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!