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タイミングの良すぎる親友からの電話が終わって、私はそのままメールを作成した。
送信相手はもちろん、賢。
『昨日はごめんなさい。会ってちゃんと話がしたいんだけど。都合いい日ある?』
絵文字も顔文字も一切ない、全く可愛げのない文章。
でも賢とのメールは昔からいつもこんな感じで、絵文字なんて賢には一度も使った事ないかもしれない。
ついさっき美月から連絡がくるまでは、何て連絡したらいいんだろうってモヤモヤしていたのに。
もう、そのモヤモヤはなくなった。
話すなら、早い方がいい。
話した結果、賢とはもう友達ではいられないかもしれない。
でもそれでも、ちゃんと会って話さないと。
メールの送信ボタンを押して、携帯をテーブルの上に置く。
朝食を食べ終えて、使った食器をカチャカチャ洗っていると、ピリリリ……と、メールの受信を知らせる着信音が鳴った。
……賢だ。
賢はいつも返信が早い。
私と美月とは違って、メールもマメだ。
こんなときでさえ、返信早いんだ……。
洗いものを中断して濡れた手を拭い、少しドキドキしながら、携帯の受信メールを開いた。
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