君しか見えない

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「あ……じゃあ、帰ってくるなら今度彼女も連れて来たら?未来ちゃんも元気でいるの?」 未来は一度だけ両親に会った事がある。 たまたま未来が俺の家に遊びに来ているときに、両親に食事に誘われた事があった。 四人で、父親が行きつけの小料理屋で食事をした。 母は、未来の事を可愛くて良い子だと、凄く気に入っていた。 「ごめん。言うの忘れてたけど、未来とは別れたんだ」 「え……そうなの?どうして……」 「俺から別れようって言ったんだ。他に好きな人が出来たから」 電話の奥で、言葉を詰まらせる母親。 まぁ、未来の事を気に入っていたからショックなのはわかる。 「そうなの。未来ちゃん、良い子だったのに」 「……」 「私もお父さんも、類は未来ちゃんと結婚するんだとばかり思ってたのに」 「……結婚?」 「この間、偶然街で豪くんに会ったのよ。そのとき、類が未来ちゃんとその内結婚するかもって聞かされて……」 豪、どんだけ口軽いんだよ。 ていうかそういう事、普通軽々しく言うか?
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