246人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「うわぁ……何この水族館……凄い!」
「何かここ、有名らしいよね。俺もここ来たのは初めてだけど」
「私、水族館なんて10年振りくらいかも」
ボソッと呟きながら、莉菜は目を輝かせて水族館の魚達に見入っていた。
「見て類!凄い綺麗だよあの魚」
ていうか、10年前、誰と行ったのか凄い気になるんですけど。
「誰と行ったの?」
「え?」
「だから、10年前」
10年前の事が気になるなんて、アホかと自分でも思うけど。
莉菜の事だけは、どんな些細な事でも気になってしまう。
重い男だって事は、当然百も承知。
「賢と美月と3人で行ったの。ここの水族館じゃないけど、凄い楽しかったから今でも覚えてるんだ」
「……元カレじゃないんだ」
「え?元カレ?どうして?」
「いや、いいや。何でもない」
まだ付き合ってもいないくせに、早くも彼女を独占したい自分。
気持ちが先走りし過ぎている。
最初のコメントを投稿しよう!