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「そういえばさ、賢雄。そろそろオイル交換の時期じゃねぇ?」 オレのこの想いは期間限定だと言わんばかりに、勇司の話題転換によってスパッと切られてしまった。 「あーそうだな。」 「明日来いよ。どうせ暇だろ。」 ニヤッと口角を上げて笑う顔にちょっとムカつく。 「はいはい、どうせ暇ですよ。」 よく言うよ。 お前だって休みの日も車しか弄ってないくせして。 焼鳥の串に手を伸ばす。 砂肝がコリコリしていて美味い。 休日は何も予定がない時は昼ぐらいまで寝ている。 今日は勇司のところにオイル交換に行くことになったし、9時頃に目を覚ました。 実家暮らしのオレ。 リビングに降りていくと、親父とお袋がソファーでイチャイチャしていた。 朝から何やってんだよ。 50を目前にしてもなお仲のイイ二人。 まぁ、喧嘩されるよりはマシか。
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