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その前を通り「おはよう」と言いながらキッチンへ向かう。 「あら、賢ちゃん、おはよう。今日はお休みなのに早いのね。」 親父と手を繋いだままお袋がニコニコして言う。 「あ~、勇司んとこにオイル交換行ってくっから。」 冷蔵庫から麦茶を出し、グラスに注いだ。 飲んだあとに朝飯は何があるかな、とガスコンロの上のフライパンを開けるとベーコンエッグ、その横の鍋を開けてみると昨日の夕飯の残りか、肉じゃがが入っていた。 「じゃあ、そのついでに資材屋へ寄ってインチハン(1.5インチ)の釘を買っといてくれないか。 父さんたちはこれから温泉に行って夜まで留守にするからな。」 これまた目尻に皺を寄せニコニコしながら親父が言う。
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