第4章 アリバイ崩し

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「ば、馬鹿な。ははは。そんなものあるわけがない」 「犯行後のあなたは混乱していたはずです。それはドアノブに被害者の血液が付着していたことからして明らかでないでしょうか。あなたは冷静ではなかった。しばらくの間、あなたはグローブをつけたまま行動してしまったのではありませんか? 」  北川は何もいわない。 「この部屋を出てから防犯カメラに映るまでの間にあなたが確実に触れる物。もうおわかりですね? 北川秀生さん。あなたのベンツを調べさせてもらいます。ベンツのドアノブやハンドルからたっぷりと見つかるはずですよ。あなたが捨てたというグローブでスタンプしてしまった、大田正英さんの血痕がね」  北川秀生は、罪を認めるかのようにその場に崩れ落ちた。
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