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真田君は私の身体の下に自分の背中を滑り込ませた。
「ちゃんのつかまれよ」
言われるがままに真田君の首に腕を回すと、真田君は立ち上がり私をおぶって階段を下り始めた。恥ずかしさよりなにより、痛さで気が遠くなるようだった。
真田君が一段降りるたびにその衝撃で私は目がくらみそうだった。
「……痛い」
「すぐ着くからもう少し待ってろ」
「無理、痛いもん……」
冷静になるとバカみたいだが小学生以来、私は痛みに泣いた。
「泣いてる?あり得ねえ」
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