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「まぁ、そうでしょうねぇ。
……英二君、やっちゃっていいですよ。」
メガネの生徒がそう言った瞬間、人影が飛び込んできた。
その人影は渾身のアッパーカットをクラゲの顎に叩きこんだ。
堪らず吹き飛ぶクラゲ、意識は途切れているようだ。
先程まで奴がいた場所には英二と言われた男子が拳を突き上げていた。
唖然として声も出せない不良B,C,D。
そのうち誰ともなく我に返り喚きたてた。
「なっ、何だテメェは!!?」
「お前も来てたんだな、糸巻。」
糸巻は不良の問いかけは無視したが、俺が話しかけると黙って頷いた。
何かに駆られるように騒ぎ出す不良s。
「すかしてんじゃねぇよ!!」
無謀な特攻を仕掛けようと試みた不良C。
メガネの方にを狙ってパンチを撃ったが、スムーズに受け流された。
そしてそのあまりにも大きな隙に容赦無く膝を入れられた。
「ごふぅ!?」
うずくまる不良、やった方は変わらず穏やかな表情だ。
「相変わらず酷いですね、亀山先輩。」
「いえいえ、友達を守るためですから。
………それに、彼らから絡んできたなら大義名分もありますしね?」
腹黒いお方だ。
糸巻と亀山先輩の名前を聞いた残りの不良は明らかにキョドり始めた。
彼らは結構名を売ってるらしい。
「おい、亀山って、まさかあの”海亀”か?」
「それに、あの糸巻ってのは”鬼”糸巻だろ?」
チラッとうちの学校が誇る武闘派二人を見た不良。
変なあだ名ついてるんだな、二人とも。
笑みを崩さない先輩と拳を鳴らす糸巻にビビったのか、不良たちは気絶した二人を連れてスタコラさっさと逃げだした。
なんとか一息つき、改めて二人に話を聞く。
「何でここに?」
「サメちゃんに聞いたんですよ。
ジンベイ先輩がヤバいから助けて欲しいって。
それより、これで僕らに恩ができましたね?
返したいと思うならぜひ”総合格闘技部”に入部してください。」
やっぱりそれか。
ちなみにサメコは部のマネージャーである。
「考えときます。
……それで、サメコは?」
「さあ?
その辺にいるんじゃないですか?」
含みのある笑い方だ。
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