僕君。

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それは僕が転校してきて2日目のこと。 もう今は何の紙だったか忘れてしまったのだけど、クラスの何かを決めるための用紙に僕の名前を書いてくれと君は持ってきた。 何があったのか分からないが不機嫌そうな君の横顔。 僕はどこに書いていいのか分からず思い切って不機嫌な君に聞いたんだ。 「これって、どこに書いたらいいのかな」 「、、、さあ、私もよく分かんない(笑)」 そう言って君は笑った。 これが初めての会話だった。 あれから、もう6年経とうとしている。 君は、覚えていてくれてるだろうか。 それとも、忘れてるだろうか。 でもね、僕は鮮明に覚えてるんだ。 昨日あった出来事のように。 君の不機嫌な横顔、不意に笑ったあの可愛い笑顔。 全部、一瞬にして釘付けになった。 最初は、ただたんに可愛い子だなってぐらいにしか思ってなかったんだ。 この日をきっかけに仲良くなった僕ら。 休みの日に遊んだり、君と同じ部活に入ったり。 凄く凄く、楽しかった。 でも、それは長くは続かなかった。 中学卒業、そして別々の高校へ。 もう、君の可愛い笑顔は見れなくなった。 途端に、寂しくなり、苦しくなり。 自分に苛立つ毎日。 きっと気づくのが遅かったんだね。 自分の気持ちに。 元気にしてますか?あの笑顔は消えていませんか? 今日も僕はあるはずのない君の笑顔をどこか探してます。 そして、君に届かないこの想いはきっと死ぬまで僕の胸の内にあると思う。 他に好きな人ができたとしても。 本当は君の隣で一緒に幸せを感じたいけど、神様はそれを許してくれないみたいで。 だから、僕はここで君の幸せを願います。 君が好きな彼と幸せになれるように。 なれますようにと。 好きだったよ、ありがとう。
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