プロローグ

3/5
90人が本棚に入れています
本棚に追加
/229ページ
「え? なんか……言った? 」 「…いや……」 「じゃ集中しろよ……」 「……はい!……はい! っておまえもういいだろ……いっっっ! んあっっ! 」 逃げようとする身体を強く引かれ、顔を歪ませる。 「ほら痛くすると……反応してんじゃん……」 心とは裏腹に身体の欲は、醜い体液を垂れながす。 (だから若いやつは嫌なんだ) 自分の欲に正直で、好き勝手に酷く抱く。人のことなんて考えちゃいない。空虚な痛みだけを深く残していく。 「俺…もう……」 「待って待てって……俺もうちょい……」 「そんな…言って何回目だ……っっっ! 」 「だって、烏さん? だっ……け? エロいから……」 「そりゃ、どうも……」 「っっっ! ちょっ……まっ! そんな……締めたら……」 「ほ……ら……」 「うっ! ぁっっっ! 」 『あんたに俺が必要だと思えない……だから無駄だなんだよ』あの男が俺の心を抉った強烈に残る言葉だった。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!