【あちきを宇宙に連れてっておくれなんし~♪】

3/3
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
若旦那: 「宇宙、月へ行きそして…地球侵略を開始する!僕と、君の故 郷…ナタールとキラアクの為に」 太夫(心の声): (ふっ。思った通り……おだてに乗りやすい性格ね。今までの シチュエーションも捨てがたいけど、何時までもこうしてもい られないし。彼らの協力を得なければ、この状況は覆せない) 太夫: 「ああ、だんさん……その言葉に嘘はないのでありん すな。 ならば、あちきも持てる能力をだんさんの為に、あちき自身あ るべき場所へ帰る為、捧げるとするでなんし」  太夫は立ち上がり、色ガラスのはめ込まれた窓を開け放つ と、そっと空の上を見つめ嗚咽を漏らした。  そして、誓いともとれる言葉を発した。 太夫: 「ととさま、かかさま……あちきはこの星で長きにわたり、捕 らわれの身でありんした。でも、もう直ぐそちらの世界に参り ます。どうぞ彼岸の彼方よりあちきらをを見守りくりゃんせ」  若者は、自分も立ち上がり、そっと太夫の肩に手を添えた。 若旦那: 「決心はついたようだね。この星の連中に僕達が受けた屈辱を 何十倍にもして、返してやろうじゃないか」 太夫: 「あい。そのお言葉、頼もしく感じてありなんし」  二人は互いに見つめ合い、抱き合ってその想いを、一つに重ね合わせて行く。  彼らの内部で、それぞれの生体制御機能が仕様の変更を開始 する。 (思考モジュール変更、会話プロトコルをX星標準仕様に変更 します)    それから半年後、X星連合による太陽系地球政府への宣戦布告 がなされ、大規模な地球攻撃が開始された。                         FIN.
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!