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若旦那:
「宇宙、月へ行きそして…地球侵略を開始する!僕と、君の故
郷…ナタールとキラアクの為に」
太夫(心の声):
(ふっ。思った通り……おだてに乗りやすい性格ね。今までの
シチュエーションも捨てがたいけど、何時までもこうしてもい
られないし。彼らの協力を得なければ、この状況は覆せない)
太夫:
「ああ、だんさん……その言葉に嘘はないのでありん
すな。
ならば、あちきも持てる能力をだんさんの為に、あちき自身あ
るべき場所へ帰る為、捧げるとするでなんし」
太夫は立ち上がり、色ガラスのはめ込まれた窓を開け放つ
と、そっと空の上を見つめ嗚咽を漏らした。
そして、誓いともとれる言葉を発した。
太夫:
「ととさま、かかさま……あちきはこの星で長きにわたり、捕
らわれの身でありんした。でも、もう直ぐそちらの世界に参り
ます。どうぞ彼岸の彼方よりあちきらをを見守りくりゃんせ」
若者は、自分も立ち上がり、そっと太夫の肩に手を添えた。
若旦那:
「決心はついたようだね。この星の連中に僕達が受けた屈辱を
何十倍にもして、返してやろうじゃないか」
太夫:
「あい。そのお言葉、頼もしく感じてありなんし」
二人は互いに見つめ合い、抱き合ってその想いを、一つに重ね合わせて行く。
彼らの内部で、それぞれの生体制御機能が仕様の変更を開始
する。
(思考モジュール変更、会話プロトコルをX星標準仕様に変更
します)
それから半年後、X星連合による太陽系地球政府への宣戦布告
がなされ、大規模な地球攻撃が開始された。
FIN.
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