11人が本棚に入れています
本棚に追加
「私たちも出ましょう?」とエリスちゃん。
淀川さんはモップを持って近くにいた。姫ちゃんはドラムの棒を二つ持っている。二人とも一言も話さず、私たちを不愉快そうに見ていた。
やっぱりさっきのバンドのことか?
私たちは倉庫から出た。生徒や先生たちが武器を持って待機していた。中には手に持ってる物をチャンバラにして遊ぶ物も中にはいた。
「私たち、どうなっちゃうんでしょうね?」とエリスちゃん。
この子も私にさっきから話しかけてくるけど、怖いんだ。当たり前だ。こんな急展開になったのだから。
「ご……ご……」と淀川さんが微かに何か言おうとした。
しかし彼女は下を俯いて黙ってしまった。
「部長さん。今は何も言わなくていいです。気持ちが落ち着いたら話を聞きますから」と私は聞いた。
その時、部長の目から涙が出た。彼女は声を出さずに泣いた。
そして倉庫にいた者が全員外に出た。
最初のコメントを投稿しよう!