3話「非常識者」

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「私たちも出ましょう?」とエリスちゃん。 淀川さんはモップを持って近くにいた。姫ちゃんはドラムの棒を二つ持っている。二人とも一言も話さず、私たちを不愉快そうに見ていた。 やっぱりさっきのバンドのことか? 私たちは倉庫から出た。生徒や先生たちが武器を持って待機していた。中には手に持ってる物をチャンバラにして遊ぶ物も中にはいた。 「私たち、どうなっちゃうんでしょうね?」とエリスちゃん。 この子も私にさっきから話しかけてくるけど、怖いんだ。当たり前だ。こんな急展開になったのだから。 「ご……ご……」と淀川さんが微かに何か言おうとした。 しかし彼女は下を俯いて黙ってしまった。 「部長さん。今は何も言わなくていいです。気持ちが落ち着いたら話を聞きますから」と私は聞いた。 その時、部長の目から涙が出た。彼女は声を出さずに泣いた。 そして倉庫にいた者が全員外に出た。
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